命題1-3
二つの不等な線分が与えられたとき、大きいものから小さいものに等しい線分を切り取ること。
概要
読んで字のごとく、大きい線分から小さい線分に等しい長さを切り取る命題である。これ以降の命題で、大きい線分を必要な長さにするために多用される。そのほかにも、二つの線分を比較したり、小さい線分を特定の場所に「移動」させたりするためにも使われる。
作図
- 点Αにおいて線分Γに等しくΑΔが作られたとせよ。[命題1-2]
- 中心Α、半径ΑΔをもって円ΔΕΖが描かれたとせよ。[公準3]
このとき、線分ΑΕが求める線分である。
証明
点Αは円ΔΕΖの中心であるから、ΑΕはΑΔに等しい[定義1-15]。また、作図からΓもΑΔに等しいので、ΑΕとΓの双方はΑΔに等しい。ゆえにΑΕもΓに等しい[公理1]。
よって二つの不等な線分ΑΒ、Γが与えられたとき、大きいものΑΒから小さいものΓに等しいΑΕが切り取られた。これが作図すべきものであった。
感想・独自研究
「ΑΒからΓを切り取る」ではなく「ΑΒからΓに等しい線分を切り取る」とあるところに、『原論』独特の感覚がある気がする。Γを移動させてΑΒから切り取る、という発想ではないようだ。
冒頭にも書いた通り、この命題はこれ以降、「切り取る」のほかに「二つの線分を比較する」「小さい線分を移動させる」といった操作に利用される。